初期不良と顧客満足度
小耳に挟んだ話。大体の経緯は下記の通り。
- 販売店がメーカからPDAを仕入れて、しばらくたってから顧客からの注文を受けて出荷することになりました。担当者は保証書に出荷日の日付を記入して出荷の準備に取り掛かり、念のために動作を確認するとハードウェアが故障していました。
- 初期不良ということでメーカに送って修理することになりました。しかし既に日付を記入してある保証書はそのままで、再発行してもらえませんでした。保証書に記入してから日が経っており、そのまま顧客へ出荷するのはよろしくないとの判断で、保証書の再発行などについてメーカと交渉を開始しました。
- 結局、動作を確認する前に日付を記入した販売店が問題の発端であり、メーカは初期不良を修理するという対応で責任を果たしているとの回答が届きました。この時点でかなりの日数が経過していて、残りの保障期間は1年より短くなっています。これでは出荷できません...。
- 販売店は製品の品質を信用して日付を記入したこと、顧客に届く前に不良を発見できたこと、初期不良さえなければ問題も無かったことなどを再度主張するも、メーカの見解は変わらず。さらには販売店に対して、"保障期間が短いことを顧客に説明して売ればよいのでは?"という発言も。これにて交渉終了(決裂?)となりました。
...という訳で、メーカの主張は"初期不良があるかも知れないから、販売店は動作を確認してから保証書に日付を記入せよ"ということであり、"確認せずに日付を記入してもメーカは責任を負えない"ということになります。確かに手続き上はメーカの言うとおりであり、販売店の不備は否定できないでしょう。しかし、初期不良はあって当然とも受け取れるメーカの発言は残念なところです。
大量生産する中で不良品は確実に発生するでしょうし、その全てを出荷前に見付けられるとは限りません。その1つが今回の製品だった訳で、初期不良そのものについてメーカを非難するのは無理があります。その上で、初期不良を修理して真っ当な製品に直したんだから、もう責任は果たしたというメーカの対応を残念に思います。初期不良がなければ問題はなかったし、顧客の手に渡る前に不良を見付けたことに対して、保証書の再発行や修正で応えるという対応であれば、だいぶ評価が違ったと思います。
直接の顧客ではないにせよ、メーカにとっては販売店もある種の顧客なので、そこで顧客満足度というものも発生するはずです。その辺を考慮すると、メーカの対応が違ってきたのでは...と思うのですが、どうでしょう?メーカから見れば些細な事例で、いちいち取り合っていられないという事情があるのかも知れませんが、製品に定評のある著名なメーカだけに残念無念。また、こういった事例で我が身を振り返ることも必要かなぁ。
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