Lubuntuのログインパスワードを仮想キーボードで入力するには。
タブレットPC「TW317」に軽量OS「Lubuntu」をインストールしたものの、起動後のログイン画面でパスワードを入力するためにUSBキーボードが必要でした。
標準のWindows 7なら仮想キーボード(オンスクリーンキーボード)を使えるのですが、Lubuntuにはそれがなく、やむなくUSBキーボードを接続していた次第。
しかし実は簡単な作業で仮想キーボードを使えるようになるのでした。Lubuntu 12.10までは該当する機能がなかったのですが、Lubuntu 13.10(lightdm-gtk-greeter 1.6.1)では該当機能が設定で無効になっているので、それを有効にすれば…。
劇的?ビフォーアフター
まずはLubuntuをインストールしたままの状態でのログイン画面がこちら。画面右上にユニバーサルアクセスメニューがあるものの、仮想キーボードに関する項目は無し。Lubuntuの元になっているUbuntuならここから仮想キーボードを呼び出せます。
タブレットPCなのにUSBキーボードが必須というのは残念すぎるので、ちょっと作業した結果のログイン画面がこちら。ユニバーサルアクセスメニューにめでたく「On Screen Keyboard」なる項目が増えています。それを使って仮想キーボードの表示および消去が可能。
これでもう、USBキーボード無しのタブレット本体でも運用できます。但し「とにかくログインしたい!」というだけでやった事ゆえ、ログイン後の画面にも仮想キーボードが出っぱなしです。またそれを閉じると、現状では再び仮想キーボードを出す方法がありません。メニューから呼び出せるようにするなど、もう一工夫が必要でしょう。
作業手順
まずは仮想キーボードを用意します。今回は軽量OSであるLubuntuに合わせて、仮想キーボードの中でも軽い「xvkbd」を使いました。
- メニュー→システムツール→Synapticパッケージマネージャを選択。管理者権限の確認に対して自身のパスワードを入力。
- 「検索」ボタン→「xvkbd」を検索→「xvkbd」の行を右クリックして「インストール指定」を選択。
- 「適用」ボタンをクリックしてインストールを実行。
- メニュー→実行→「xvkbd」を実行。仮想キーボードが出ればOK。
次にログイン画面の設定ファイルを1行だけ書き換えます。
- メニュー→アクセサリ→LXTerminalでターミナルを起動。
- ターミナルで「sudo leafpad /etc/lightdm/lightdm-gtk-greeter.conf」を実行。パスワード要求に対して自身のパスワードを入力。
- ファイル末尾の行(実際には1行)を後述のように変更して保存。エディタを終了。
これで作業完了。ログアウトしてログイン画面に戻ると変更を反映しているはずです。画面右上隅のユニバーサルアクセスメニューに「On Screen Keyboard」という項目が増えていることと、それを操作して仮想キーボードを出せることを確認しましょう。
なお「-geometry 600x200+212-30」の部分は仮想キーボードの寸法と位置の指定です。この場合は「幅600ドット、高さ200ドット、画面左端から212ドット、画面下端から30ドット」という意味になります。これは1024×768ドットの画面の下部中央に表示させるためであり、画面解像度に応じて調整してください。
もう一歩?
前述のようにログイン後に仮想キーボードを閉じてしまうと、再度呼び出す方法がありません。そのためにログアウトするのも不便なので、メニュー→アクセサリ→仮想キーボードのような要領で呼び出せるようにしてみるつもりです。
あとはバックスペース(BS)キーが無く、代わりに削除(DEL)キーがあります。xvkbdのオプション「-compact」を外せばBSキーも出るのですが、他のキーまで現れてしまい、ごちゃごちゃしてしまう難点が。DELキーの代わりにBSキーを出したいので、ちょっといじってみる予定です。
なお、Lubuntuで有名(?)な仮想キーボードとしては、他に「matchbox-keyboard」「onboard」の2つがあります。matchbox-keyboardは表示がシンプルで好みではあるものの、使い勝手などが今一つな印象。
onboardはUbuntuで標準採用となっているようですが、Lubuntuで使うには多くの関連パッケージもインストールする必要があり、少々「重い」かなぁ。また時々エラーが出て起動に失敗することも。復旧方法もあるとはいえ、ログイン画面でエラーになるとUSBキーボード必須になってしまうので、安定性重視で見送りました。
何はともあれ、タブレット単体で持ち歩いても一通りの操作ができるというのは、当たり前ではあるもののやはり良いものです。
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