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2014-02-28

LubuntuとUSBメモリで快適・便利なLinuxパソコンを!

Lubuntu(Linuxの一流派「Ubuntu」の軽量版)をUSBメモリにインストールしてノートPCの起動ドライブにすると、思いの外快適な作業環境が手に入ります。

UNetbootinというソフトウェアで作ったLubuntu起動用USBメモリはいい感じでした。それを使ってみてUSBメモリからの起動が実用的とわかったので、今度は普通のハードディスクと同じようにLubuntu本来の方法でインストールしてみることに。

但しハードディスクと全く同じやり方では利用時に動きが遅くなることが目立ちました。USB 3.0対応のUSBメモリをUSB 2.0で使っている影響もありますが、書き込み動作が発生すると反応が遅くなったり、無反応だったり。そこで先駆者各位の成果を借りて、USBメモリへの書き込みをなるべく回避することで、高速化してみました。


USBメモリへのインストール

  1. Lubuntu公式サイトからCD-ROMイメージ(ISO形式)をダウンロードして、CD-Rに書き込んで起動用CD-Rを用意。今回は「lubuntu (Intel x86) desktop CD」を使いました。
  2. 前述のCD-RでPCを起動させます。言語選択の画面が出たら「日本語」を選択。
  3. メニューが出たら「Lubuntuをインストール」を選択して、インストーラが起動するまでしばし待機。
  4. インストーラが言語選択を求めてきたら「日本語」を選んで「続ける」。一部の言語名が文字化けしても気にすることはありません。
  5. 「インストール中にアップデートをインストールする」「サードパーティのソフトウェアをインストールする」にチェックを付けて「続ける」。但しまだ無線LANがつながっていない場合には、無線LANの設定後にこの画面に戻ってきてからチェックを付けます。
  6. 無線LANの設定画面が出たら適切な接続先を選び、パスワードを入力して「続ける」。有線LANが有効になっている場合には省略。
  7. 「インストールの種類」で「それ以外」を選んで「続ける」。
  8. USBメモリ(例:/dev/sdb)を選び、「新しいパーティションテーブル」をクリック。十分に確認してから「続ける」。内蔵ハードディスクの個数によっては「sdb」の部分が変わります。誤指定はハードディスク内容の消失につながります。確実にUSBメモリを指定してください。
  9. 「空き領域」を選んで「+」。設定ウインドウが開くので「サイズ」に最大値を設定。「基本パーティション」を選択。「利用方法」に「ext4ジャーナリングファイルシステム」、「マウントポイント」に「/」を設定して「OK」。
  10. 今作ったパーティション(例:/dev/sdb1)を選択。「ブートローダをインストールするデバイス」にUSBメモリ(例:/dev/sdb)を設定して「インストール」。
  11. スワップスペースが無いことへの確認に対して「続ける」。
  12. 地域(タイムゾーン)が「tokyo」であることを確認して「続ける」。
  13. キーボードレイアウトが「日本語」であることを確認して「続ける」。
  14. 「あなたの名前」「コンピュータ名」を適切に設定。「ユーザ名」「パスワード」は設定内容をお忘れなく。「ログイン時にパスワードを要求する」にチェックを付けて、「ホームフォルダを暗号化する」はチェックを外して、「続ける」。
  15. 実際のインストール処理が始まるので、完了まで待ちます。おそらく数十分かかるでしょう。
  16. インストール完了の表示が出たら「今すぐ再起動」をクリック。CDドライブが開くので、CD-Rを取り出してEnterキーを押します。
  17. しばし待つと再起動が始まるので、USBメモリからの起動を指示します。Lubuntuのロゴが出た後、ログイン画面が出て、さきほど決めたパスワードでログインできればインストールは成功です。


高速化の設定

USBメモリから起動してログインできたら、画面左下隅のアイコンをクリックしてメニューを出して、「アクセサリ」→「LXTerminal」でターミナル画面を開きます。

ターミナルで下記のコマンドを入力。「sdb1」の部分はインストール時と同じく、自身の環境に応じて指定します。パスワードを求めてきたら、ログイン時と同じものを入力します。

sudo tune2fs -o journal_data_writeback /dev/sdb1

ターミナルで下記のコマンドを入力。エディタで設定ファイルを開きます。

sudo leafpad /etc/fstab

エディタで該当部分を次のように書き換えます(実際には改行なしで)。

変更前→ errors=remount-ro

変更後→ errors=remount-ro,data=writeback,noatime,nobh

エディタで末尾の行として下記の1行を追加します。

tmpfs /tmp tmpfs defaults,noatime 0 0

エディタでファイルを保存したのち、エディタを終了させます。

これでUSBメモリへの書き込みの回避による高速化の設定は完了です。画面右下隅のアイコンをクリックして再起動させると設定が有効になります。

高速化の要点は下記のようなものです。

  • スワップスペースを作らないことで、メモリが足りない場合でもディスク(=USBメモリ)に間借りしなくなります。PCが搭載しているメモリ容量しか使えなくなるので、搭載メモリが256MBや512MBだと少々厳しいかも。1GB以上のメモリがあるなら、まぁ大丈夫。
  • 「writeback」はディスクの管理情報の書き込みを高速にします。突然の電源断などの際に若干のリスクはあるものの、日常的な用途なら支障ないかと。
  • 「noatime」で「ファイル読み込み日時」の記録を無効にします。これにより、プログラムの実行などの際にはUSBメモリへの書き込みが生じなくなるので、動作が軽快になります。
  • 「nobh」は機械的な動作をともなうハードディスク用の処理を省く(?)そうです。
  • 「tmpfs」で一時的なファイルをメモリ上に配置します。アプリケーションは動作において種々の作業ファイルを作ります。それらをメモリ内に置くので、読み書きが早くなります。


快適♪

動作中のUSBメモリへの書き込みをできるだけ減らすことで全体的に動きが軽くなり、書き込み動作の完了待ちで応答が鈍くなることもなくなりました。USBメモリは書き込み時に発熱しがちなので、その対策としても有効そうです。

SSD並みとまでは言えないものの、起動が早くて動きが軽くて、十分に使える環境となりました。あと、挿し替えれば他のPCもLubuntuで起動できるので、複数のPCで同一環境を使える利点もあります。

内蔵ハードディスクにWindowsがインストールしてある場合でも、それには全く変更を加えることなくLubuntu環境を作れます。Linux体験用にも良いですよ。

ちょっと古くてWindowsが重い…というPCがあったら、Lubuntuで再活用できるかも。そのお試しにもUSBメモリは有用ですよ。お勧めです。



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